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2022年01月12日 [東京 特注家具]

ウォルナットオーダー飾り棚

特注家具tana
主要材ウォルナット追い柾目 塗装オイル
ウォルナットの飾り棚ですね。この形状のものは和室では違い棚(たがいだな・ちがいだな)と呼ばれたりもします。それについては後程。数寄屋造りの場合は霞棚の方が近いかもしれませんがちょっと詳しくはわかりません。
棚板は3段で奥行はすべて一緒ですが幅はそれぞれ違います。棚板自体は手前に返しというものがついていてものが落ちないようになっています。これは「転び止め」「返し」と呼ばれていますが、違い棚の場合は側面についた場合には名前がついていて「筆返し」と言います。この部分は無垢板を使用しています。
縦の板部分でつなげていて補強とブックエンドの役割をしています。この部分は方立(ほうだて)という部分なのですが和室では細い束(つか)で作るため海老束と呼ばれています。この部分は上と下がそれぞれ垂れないようにつなげて補強の役割をしています。

以上解説でした。

違い棚は置くものが同じでもアクセントがついていいですよね。ただ収納量が下がるという都内の住宅事情から考えると贅沢な飾り方でもあります。今回は一面の壁にしか棚板は接していなかったので複数枚棚板がないと強度を出すのは難しかったのではないかなと思います。あとは箱のような形にしておくとかですね。
というわけで今回は和室の違い棚について少し話そうかなと思います。今の和室というと元を辿ると寝殿造りというより書院造りだとは思うのですが、そこから変化した数寄屋造りも今の和室の基本的な形だと考えています。ちなみに数寄屋造りの原型が千利休の待庵と言われているのですが待庵に違い棚はありませんので違い棚は基本的に書院造のものと言っていいですかね。
数寄屋造りの場合は寸法などの決まりはあまりありませんが書院造の場合は柱の太さや距離の他にも造り付ける棚の厚みなどにも指定があったと思います。部屋自体を大きくはできても勝手に柱の距離を狭くしたりはできなかったはず、規格が決まっていたというのは今の建築に近いですね。ただ昔と今では人の体格も生活も違っているので文化財の修復の方でない限りはあまり覚えていても意味ないかもしれないです。
定格の違い棚だと上の棚と下の棚の差は91ミリだそうでなかなか実用的には使いにくい寸法ですね。海老束も一面の寸法決まっていたり面の部分を几帳面という加工の仕方で仕上げないといけなかったり今の住宅にはあわなかったりもしますし。

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